金星環境における60日間の電力供給システムを検討する

High-Level Project Summary

私たちは、太陽系の中で唯一、地球とほとんど同じ大きさ、質量を持っている金星に注目しました。金星と地球が、どのように分かれたのか、金星のことが分かれば、地球のこともさらに分かるはずです。しかし、金星では地球と全く似ていない性質があります。特に、表面温度の違いがをそれを物語っています。大気の主成分である二酸化炭素の温室効果ガスによって、金星の表面温度は摂氏475℃です。そのため、私たちは、摂氏300℃で働くNAS電池(日本ガイシ株式会社)を利用し、金星環境における60日間の電力供給システムを考えました。あくまでも、ローバを動かすための電力供給であり、サイエンスミッションには考慮できていません。このNAS電池は摂氏300℃を保持して、負極に金属ナトリウム、正極に硫黄を配置します。そして、これらを固体電解質(ベータアルミナ)で隔てる構造のもので、固体電解質の中をナトリウムイオンが移動できる特性を利用しています。さらに、大容量の蓄電が可能です。NAS電池の電圧密度を36W/kg、NAS電池1個が5kgだった場合、電力は180Wとなった。また、NAS電池のワット時が1080Whであるため、ローバを動かすのに必要な電力が180Wの場合、放電可能時間は6hとなった。つまり、60日間電力を供給するためには、1日10分という制限であれば、走行可能であると考察した。ただし、金星の表面温度が475℃のため、正しく化学反応が行われるよう冷却システムが必要である。ローバの動作電圧が低ければ、さらにNAS電池の有効性は上がるだろう。

Detailed Project Description

金星探査機の部品やその詳細、今までの探査機で用いられた電力供給システムの方法。

それがわかれば、金星ローバーの開発が進む。

Space Agency Data

JAXAの金星の概要や、NASAの金星データ、火星データ、金星ローバに関する論文を参考にし、オリジナルの金星ローバの設計をするために利用した。

特に、金星の表面の写真と火星の表面の写真を比較したところ、特に違いがなかったことから、火星に初めて降り立ったSojournerの構造を参考にした。

Hackathon Journey

金星が太陽系で唯一地球とほとんど同じ大きさと質量であることを知り、表面温度が大きな課題であると感じました。

大気中の二酸化炭素の活用や、スーパーローテーションを用いた風力発電も考え、様々な電力供給システムを考える良い機会になりました。チーム力が求められるハッカソンで、私達は個々の能力を活かすことができました。

また、様々なチームがあり、色々な視点で物事を考える機会にもなり、視野が広がりました。

NASAやJAXAのオープンデータを利用し、金星について研究できたことは非常に楽しかったです。

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#Venus